果てしなく

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愛用しているDANSKのマグカップ。赤と青を持っている。

母とわたしの仲がちょっとギスギスしていたころ、母がなにかのきっかけでこれを渡してくれたのだった。アウトレットパークで買ったのだと言って。

いらないかもしれないけどよかったら使って、アレなら花瓶にでもなんでもしてくれたらいいから。

母はそんなふうに言って投げやりに笑った。

わたしも余裕がなかった時期だったので、とりあえずゆっくりうなづいた憶えがある。この場で叩き割ってやろうか、と思ったような記憶もうっすらとある。わたしたちには言葉というツールがあるのにも関わらず、腹の探り合いだけでコミュニケーションをとっていた。お互いが疲れていた。

350ml入る大きなマグカップは妹とふたりでずっと使っている。これほんとにいいわあ、ありがとう、といまなら母に伝えられる。言葉というものを知ったので。